遺跡・出土品調査
ご承知の通り、最近の考古学は最新の技術手法を用いて、ロマン豊かな新しい事実を次々と明らかにしています。
当社も遺跡出土遺物や文化財を調査・解析するお手伝いをしてきております。
ここでは、担当の伊藤 薫の「鉄を科学する」をご紹介致します。もちろん、鉄だけではなく、あらゆる材料を対象に「科学」しますので、ご利用をお願い申し上げます。
@鉄を科学する
人と鉄との付き合いは5、000年になると言われています。鉄は炭素量の調節と焼き入れ・焼戻しというような熱処理により、大幅に硬さや強さを調節できるため、先人は必要な道具や武器甲冑に鉄を利用してきました。
その後、鉄に適当な金属や非金属を加えて強さや錆びにくさの改善を図ったのは今世紀になってからで、現在では多種多様な鉄鋼材料が製造されています。
これらの材料開発を推進した背景にあるものは、最先端の分析機器を使用した解析技術の成果であるといっても過言ではありません。
材料を詳細に調べるためには、まずマクロ・ミクロの目で形状や内部組織を観察することです。そのために、光学顕微鏡・X線透視・CTスキャナー・電子顕微鏡等が適用されます。次に材料の構成元素を知るために化学分析・蛍光X線分析・質量分析等が必要となります。さらに、局部的な元素の濃度や存在状態・結合状態を知るためのX線マイクロアナライザー・オージェ電子分光・X線回折等も重要になります。そして、これらの様々な手法による結果を総合的に解析することが「科学」することであります。
以下に例として示します西ノ谷遺跡の出土品や日本刀にも科学的な手法の一部を適用致しました。例えば、鉄の表面を磨き、薬品で腐食した後、光学顕微鏡で金属組織を観察したり、化学分析を行い構成元素や量を調べたり、また試料面上の100万点を電子ビームで短時間に走査・分析して試料中に存在する元素の分布状態を把握し構成鉱物の同定を行ったりしています。
最先端の分析・解析技術は、ロマンに満ちた古代に製鉄に携わった人々や鉄製品に関わる技術の解明につながることは間違いないでしょう。
  内容                       手法
@マクロ・ミクロの目で    →  光学顕微鏡、X線透視、
 形状や内部組織を観察    CTスキャナー、電子顕微鏡

A構成元素を知る    →  化学分析、蛍光X線分析

B局所的な元素濃度や  →  X線マイクロアナライザー、
 存在・結合状態を知る    オージェ電子分光、X線回折 
                ▼▼▼      
    諸手法による結果を総合的に解析   

    文化財:構成素材の解明・産地・年代 


A調査・解析例

伊藤 伊藤 薫